かつて岸信介が御殿場の自邸・東山旧岸邸で写経をしていたことから9年間開催していたイベント「写経の集い」を、本年はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から開催を見送ることとなりました。楽しみにされていた皆様、申し訳ございません。
今回は代わりとして「やってみよう!お家で写経」と題し、東山旧岸邸の写経方法をご紹介します。
お家の好きな場所で、好きな時に写経に挑戦してみてください。
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「やってみよう!お家で写経」 ~東山旧岸邸の写経方法ご紹介~ (印刷したい方はこちら→■)
東山旧岸邸の主であった岸信介は73歳から逝去する90歳まで御殿場の自邸で過ごし、弘法大師ご入定1150年の際には高野山の奉賛会長をつとめ、般若心経1150巻をこの邸宅で書き奉納されました。
東山旧岸邸ではこのエピソードから、通常非公開の2階(寝室・夫人室)にてお庭を眺めつつ、般若心経の写経に取り組んで頂く催しを行っていました。
今回は皆様のご自宅で写経が出来るよう、当邸の写経方法をご紹介いたします。
【準備】
・主な道具:写経筆(筆ペン可)、写経用紙、お手本用写経用紙、硯、墨、水、墨汁、文鎮、毛氈(下敷き)
・準備:汚れても良い服を着用する、もしくは作務衣など汚れ防止の上着を羽織る
・場所:窓を少し開け半紙が浮かない程度の風が通り、鳥の声や水の音が聞こえると良いでしょう。
お香を焚いても良いでしょう。雨音を聞きながら、雨の日の写経もおすすめです。
【手順】
●塗香(ずこう)をする
(粉末にしたお香を掌に塗りこみ、その香りを吸い込むことで手・鼻・口・精神を清める)
●墨を擦る、景色を眺める、深呼吸するなどをして心を清め、写経を始める
(お手本を下敷きに写経する方法と、お手本を横に置き見ながら写経する方法があります)
●誤字の場合・・・誤字の右側に点を打ち、同行の欄外(上下どららでも可)に正しい字を記す
●脱字の場合・・・脱字した前後の文字の間の右側に点を打ち、同行の下に抜けた文字を記す
【誤字の場合】
【脱字の場合】
書き終えたら・・・願いごと、名前、日付を記します。願いごとは四字熟語でも文章でも構いません。(例:無病息災、心願成就、早く平和な世界になりますよう)
※写経用紙によって記入箇所の違いや、各々お作法の違いがございます。
一例としてご参考ください。
東山旧岸邸では、写経後の用紙は各自お持ち帰り頂いていましたが、仏様へ奉納するか時をみて近隣のお寺でお焚き上げして頂くのもよいでしょう。なお、写経中は無理のない姿勢で行いましょう。
今回は岸邸のお庭を想像しながら写経が出来るよう、東山旧岸邸の庭園画像をご用意しました。
下記よりダウンロードいただけます。
庭園画像(2020年5月末日までダウンロード可/個人使用目的のみ・転用禁止)
写経用紙・塗香について・・・東山旧岸邸では、写経用紙は「鳩居堂」様、塗香は「山田松高木店」様のものを使用していますが、各所から写経用紙など販売されておりインターネットでも手に入ります。また、お手本を無料ダウンロードできるサイトもございます。(※「写経 ダウンロード」等で検索可)
ご自身に合う物を探して、有意義な写経の時間をお楽しみください。
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<おまけ>
東山旧岸邸のある御殿場では、この地域ならではの旬の料理がございます。
写経のあとはそんなご当地料理に挑戦してみるのも良いでしょう。
以下サイトもご紹介いたします。
・JA御殿場 レシピ紹介
御殿場地域の名産品「御厨そば」や旬の農産物を使った献立が並びます。
自宅の食卓にて御殿場の味をお楽しみください。
また御殿場で皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
早く安心して過ごせる日々が戻りますよう。